1 離婚後の面会交流がこじれる負のスパイラルとは!?(父親が面会交流を求める場合)

面会交流というのは,離れて暮らす子とその両親をつなぐ非常に大切な手続きとなります。

どうしても、子供の親権は母親がとる事が多いので、面会交流を求めるのは父親側になります。そして、母親側は、元夫(及びその親族)に対する否定的な感情が原因で(といっても、それ自体はかなり強烈な婚姻期間中の体験に基づいており、また、帰責性が夫にあることも。)、面会交流を拒否してきます。

父親側は、このような母親側の対応に対して、やはり同じように感情的に(怒り)で対応してしまいがちです。しかし、そのような反応は、母親側が元夫への嫌悪感を増長させるだけでなく、子どもに対して、母親から元夫と相対する際の緊張が伝わり、子どもまで母親側の夫への嫌悪、恐怖がうつってしまうことがあります。

そうなると、今度は元夫側は、母親が子供に元夫の悪口を吹き込んでいる、と考えて、ますます母親に対して怒りで対応し、それに対して、母親側が恐怖と嫌悪感を増長させ、子どもに伝染し、ますます面会交流が難しくなるという負のスパイラルが発生してしまいます。

2 離婚後の面会交流をスムーズに行かせるには?

このような面会交流の負のスパイラルを抜け出すにはどのようにしたらよいでしょうか。

父親側が、まず母親の心理をよく理解することです。

3 離婚後の母親の心理を知る。

離婚後の母親の心理は、下記のようなものになっています。

1 元夫に対する、婚姻期間中の恨みつらみ(家事・育児・経済的な理由)

2 離婚の際の言い争いで増長した嫌悪感

3 元夫に浮気などで裏切られたことに対する不信感

4 夫側親族に対する嫌悪感

5 母親、子どもに対して、元夫がなした暴力、暴言に対する恐怖心

”こんな人に子供を合わせたくない” これが母親が面会交流を拒否する心理です。

4 母親の心を溶かす

このように、母親の心理を理解し、しっかりと対応できれば、逆に面会交流はうまくいかせることができます。

1 家事・育児の負担の軽減、経済的な支え

離婚後も母親は家事・育児に追われています。母親が助かると思う日時、時間帯の面会交流を提案しましょう(例えば日曜日習い事や病院に連れていくなど)。

また、経済的な面について、養育費をきっちり支払いましょう。

2 感情的に反応しない

当たり前ですが、離婚に至るだけの嫌悪感はどうしても父親側も母親側も持っています。しかし、離婚後はなるべく感情的な反応をせずに、冷静に子供のための協調を心掛けて、嫌悪感を相互に増大させないようにします。

3 浮気に対する不信感は謝罪するしか対応方法がない。

謝るしかありません。

4 離婚直後は夫側親族に無理に子どもを合わせない事を約束する。

このような感情を母親が抱いている場合には、離婚直後には、夫側親族に面会させる事は避けたほうが無難です。また、母親側に内緒で面会交流中に父親が、父方親族に合わせることは避けてください。年月が経てば、かかる嫌悪感は薄らぐケースが多いです。

5 頭に来ても、暴力的、脅迫的な言辞は絶対に避ける。

面会交流は北風と太陽の童話と同じです。裁判をする、弁護士をつけると脅す父親は多いですが、母親側に恐怖心を与えても、面会交流に一ミリの特にもなりません。北風と太陽の太陽になる作戦を立ててください。

6 それでも面会交流がうまくいかない場合

当事務所では離婚を300件近く取り扱っており、面会交流を進めるための様々なテクニックをもっています。ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。

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5 おわりに

仮に両親が離婚してしまったとしても,両親の離婚によってお子さんが不幸になるべきでありませんし,離婚した後であっても,面会交流が上手くいっている母親と父親であれば,お子さんとの関係を通じて,ある一定の信頼関係が芽生えてくるはずです。

また、養育費の支払いと面会交流はバーターの関係ではなく、どちらかがしっかり履行されていなくても、他方の約束は守らなければいけません。しかし、実際に面会交流を続けることは、養育費の支払いを促す協力な助けになります。このことは頭に入れておいて損はないでしょう。

また,近年,面会交流というのは,親のためだけではなく,子のためにも,当然認められなければならないものであるという考え方が,家庭裁判所において,特に強くなってきております。ですので,家庭裁判所における調停においては,子の福祉というキーワードを重視しながら,お子さんのためにより良いことは,お子さんが両親ともに会うことが出来て,両親に対する信頼を保った状態でいることだと考えられています。

ご自身が面会交流が上手くできていない母親・父親なのではないかと思われた場合,お子さんのためにも,面会交流の手続きをもう一度考え直してみてはいかがでしょうか。

その際。第三者、特に面会交流に詳しい弁護士の意見は、必ずあなたのための有益なアドバイスになると思います。

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