【コラム】もし配偶者に不倫されたら|第1回 離婚と慰謝料、まず知っておくべきこと
「裏切られた」という事実の前で、冷静でいるのは難しい
配偶者の不倫が発覚したとき、多くの方がまず感じるのは、怒り、悲しみ、不安、そして混乱です。
もう顔も見たくない、今すぐ離婚した方がいいのか、離婚したら経済的に暮らしていけるのか、子どもから父親(母親)奪っていいのか、慰謝料は請求できるのか、何から手を付ければいいのかわからない、こうした感情を抱くのは、ごく自然なことです。

しかし、不倫の問題は、感情だけで動いてしまうと、不利な結果につながることが少なくありません。
大切なのは、いま感じている気持ちを否定せずに受け止めつつ、事実と法的な選択肢を冷静に整理することです。
不倫された=必ず離婚しなければならない、わけではない
まず大切な点として、不倫されたからといって、必ず離婚しなければならないわけではありません。
法律上は、大きく分けて次の2つの選択肢があります。
離婚せず、婚姻関係を続ける場合
配偶者と話し合い、関係修復を目指すという選択もあります。
この場合でも、不倫によって受けた精神的苦痛について、配偶者に対して、あるいは配偶者の不倫相手に対して、慰謝料請求が認められる可能性があります。
離婚する場合
離婚を選択する場合には、いわゆる不貞慰謝料に加え、離婚慰謝料を含めて請求することが検討されます。
あわせて、親権、養育費、財産分与など、将来に関わる重要な点も整理する必要があります。
どちらが正解ということはなく、「ご本人がどうしたいか」によって、取るべき対応は大きく変わります。
不倫を理由に慰謝料請求できるのはどんな場合?
不倫による慰謝料請求(いわゆる「不貞慰謝料」)が認められるためには、一定の条件を満たす必要があります。
ここでいう「不貞行為」とは、一般に、「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」と定義されています。
この「性的関係」とは性交または性交類似行為を指します。ですから、キスやハグのみ、あるいは、単なる食事や連絡のやり取りだけでは、直ちに不貞行為と認められない場合もあります。
慰謝料は「誰に」請求できるのか
不倫を理由とする慰謝料は、配偶者だけでなく、不倫相手(第三者)に対しても請求できる場合があります。
配偶者に対する慰謝料請求は、婚姻関係にある中で、不貞行為によって精神的苦痛を与えたことを理由とするものです。
一方で、不倫相手に対しても、既婚者であることを知りながら、または知り得たにもかかわらず不貞行為に及んだ場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
事情によっては、配偶者と不倫相手の双方に対して慰謝料請求を行うケースもあります。
ただし、誰に、どのような形で請求するのが適切かは、婚姻関係の状況や証拠の内容によって大きく異なります。
慰謝料請求が認められるかを判断する主なポイント
慰謝料請求が認められるかどうかは、主に次の点を踏まえて判断されます。
- 配偶者と第三者との間に、不貞行為があったか
- 不貞行為当時、婚姻関係がすでに破綻していなかったか(別居が長期間続いていた場合など)
- 不倫相手が、配偶者が既婚者であることを知っていた、または知り得たか
「不倫=必ず慰謝料が取れる」というわけではなく、証拠の有無や事情関係が非常に重要になります。
慰謝料請求は、感情的に動くと失敗しやすい
不倫が発覚した直後、ついやってしまいがちな行動として、次のようなものがあります。
- 不倫相手の職場や家族に連絡する
- SNSで不倫の事実を暴露する
- 感情的なメッセージを大量に送る
- 勝手に示談書を作成し、署名を求める
これらは、慰謝料請求を有利にするどころか、不利に働く可能性があります。
場合によっては、名誉毀損やプライバシー侵害として、逆にトラブルや法的責任を負うこともあります。
感情が高ぶっているときほど、これらの行動はいったん控え、冷静に状況を整理することが重要です。
具体的な対応は、事案の内容によって異なりますので、行動に移す前に専門家に相談されることをお勧めします。
まず整理すべきは「事実」と「今後の方針」
不倫問題に直面したとき、最初にやるべきことは次の2点です。
事実関係の整理
不貞行為の有無、証拠の有無(メール、SNSのやり取り、ホテルの領収書、写真など)、
いつ、誰と、どの程度の関係だったのかを、冷静に整理します。
今後の方針の整理
離婚したいのか、婚姻関係を続けたいのか、慰謝料を請求したいのか。
自分が何を望んでいるのかを、時間をかけて考えることが大切です。

これが整理できないまま動いてしまうと、「本当は望んでいなかった結果」に進んでしまうことがあります。
次回予告:不貞慰謝料請求とは何か、どこまで請求できるのか
次回は、不貞慰謝料請求とは何か、誰に、どのような条件で、どの程度請求できるのかについて、裁判実務の視点から詳しく解説します。
不倫問題は、早い段階で正しい情報を知ることが、ご自身を守るための大きな一歩になります。
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