裁判離婚が認められるには、裁判上の離婚原因がなければなりませんが、では、離婚原因を作った者(有責配偶者)から離婚請求をすることはできるのか、という論点があります。

典型的には、不倫した側から離婚請求が許されるか、というものです。

まず、前提として、ここでいう有責配偶者は、婚姻破綻の主たる原因を作った者を意味します。例えば、双方が同時期に不倫をして婚姻が破綻したような場合には、不倫をした片方からの請求が認められないということにはなりません。

また、不倫された側も離婚意思がある場合は、離婚が認められることには問題がありません。問題は、不倫された側が離婚したくない場合です。

上記の意味での有責配偶者から、他方配偶者に対して離婚を強制することは、原則としては認められません。

ただし、判例上は、
①別居が当事者の年齢や同居期間と比較して長期間にわたること、
②夫婦間に未成熟子が存在しないこと、
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれるような特段の事情がないこと、
の3つの要件を満たす場合には、離婚を認めてよいとされています。

これらの要件が全て必要か、また、例えば、長期間とは具体的に何年程度を意味するのか、といった細かい点については省略します。

不倫した側である場合でも、常に離婚が認められないわけではありませんので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。